2011年10月7日　エイベックス・マーケティング

2011年6月22日〜26日　サンシャイン劇場

＜スタッフ＞
原作：田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ
脚本：ヨリコ ジュン
演出：宇治川まさなり
音楽：三枝成彰
舞踊監修：森田守恒
振付：瀬川ナミ
照明：柏倉淳一
音響：小幡亨
美術：齋藤浩樹
ヘアメイク：中原雅子
衣裳：友好まり子
舞台監督：浅沼宣夫
総合監修：田原正利
制作：神戸丈志、鈴木奈緒子、北見奈々江
プロデューサー：上野真香人
ゼネラルプロデューサー：黒岩克己、菅沼尚弘、海野晋、多賀徹
総合プロデューサー：多賀英典
企画：キティ、エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ

＜出演＞
中河内雅貴／東山義久／中塚皓平／三上俊／長澤奈央／高山猛久／笠原竜司／松島志歩／高樹京士郎、他

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　2011年1月に行われた「舞台　銀河英雄伝説／第一章　銀河帝国編」（レビュー：http://chaos-i.com/review/video/patio.cgi?read=161&ukey=0）に続く、2作目の「外伝　ミッターマイヤー・ロイエンタール編」。ミッターマイヤーとロイエンタールは、後にラインハルトの下で「帝国軍の双璧」と称されることになる優秀な将校であり、親友同士。そのミッターマイヤーとロイエンタールの出会いから絆を深め合いラインハルトと知己を得るまでを舞台の上で描いている。

　愛妻家で公明正大なミッターマイヤーを演じるのは、中河内雅貴さん。女泣かせな金銀妖瞳（ヘテロクロミア）の持ち主のロイエンタールを演じるのは、東山義久さん。二人の敵役となるフレーゲル男爵を演じるのは、三上俊さん。ミッターマイヤーの有能な部下、ドロイゼン少尉を演じるのは、中塚皓平さん。ミッターマイヤーの妻、エヴァンゼリンを演じるのは、松島志歩さん。ミッターマイヤーとロイエンタールを引き合わせるという舞台オリジナルのストーリーで鍵を握るホステスのドーラ役は、長澤奈央さんが演じている。

　前半の50分間は、イゼルローンのクラブでミッターマイヤーとロイエンタールが出会うという舞台オリジナルのストーリーが展開。恋人を不名誉な死で失ったドーラという名のホステスが、ミッターマイヤーとロイエンタールを引き合わせ、お互いを意識させるという内容。始めは毛嫌いしていたミッターマイヤーとロイエンタールが、店で起こった事件をきっかけにして意気投合していくという微妙な心の動きが、舞台の上でタイミングよくダンスと台詞を通して表現されている。舞台オリジナルのストーリーであるけれども、設定がよく練られてあるので、原作にあったエピソードかと思うほどミッターマイヤーとロイエンタールの性格がよく表現されてあって良かった。また、中河内雅貴さんと東山義久さんのダンスが見せ場となっており、特に東山義久さんのソロの部分は、豊かな表現力で見応えがあった。冒頭のミッターマイヤーとドロイエゼンの会話も息がピッタリと合っていて楽しかった。

　後半は、原作のエピソードに沿って進行。ミッターマイヤーとエヴァンゼリンの結婚式があり、惑星カプチェランカの雪原での白兵戦のシーンがあり、ミッターマイヤーが捕われ、拷問を受けている最中にロイエンタールがラインハルトの助力を得て救出…という流れ。ラストには、ラインハルトとキルヒアイスが逆光を浴びたシルエット状態にて登場。外伝とはいえ、次に繋がる締めくくりとなっていて、今後の舞台の展開への期待感といったものが感じられて良かった。

　後半は、台詞が多めだったものの、その分前半では中河内さんと東山さんのダンスをたっぷりと見ることができ、この前半部分こそが「舞台　銀英伝」の「外伝　ミッターマイヤー・ロイエンタール篇」らしさが最も表れていたところではないかと感じたしだい。バネのような全身でダンスを通して役を表現する東山さんの動きに魅せられた前半だった。ソロの後、十分な休息もないまま、汗だくになりながら激しい息づかいの中で台詞を発していたのも凄かった。

　私的には、後半に活躍の多かったフレーゲル男爵役の三上俊さんも良かった。キャラクターの性格がよく表現されていたし、と同時に演じる三上さんのしなやかさな幅広さといったものが垣間見えて魅力的な方だった。今後注目していきたい俳優さん。

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