トップページ > 記事閲覧 
「仮面ライダーW(ダブル) RETURNS/仮面ライダーエターナル」
投稿日 : 2012/09/10 16:15
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:坂本浩一
アクション監督:坂本浩一
原作:石ノ森章太郎
脚本:三条陸
音楽:中川幸太郎、鳴瀬シュウヘイ

<出演>
桐山漣/菅田将暉/山本ひかる/松岡充/須藤元気/杉本彩/八代みなせ/出合正幸/中村浩二/コン・テユ/高梨臨、他

2011年
記事編集 編集
Re: 「仮面ライダーW(ダブル) RETURNS/仮面ライダーエターナル」
投稿日 : 2012/09/10 16:17
投稿者 久保田r
参照先
 平成仮面ライダーシリーズ初となるOVAにてリリースされた「仮面ライダーW(ダブル)」のスピンオフ作品。主人公は、劇場作品「A to Z 運命のガイアメモリ」で仮面ライダーW(ダブル)の敵として登場した仮面ライダーエターナル。そのエターナルに変身する大道克己がエターナルと出会い変身するまでを描いたストーリー。

 仮面ライダーW(ダブル)の活躍は冒頭のみ。いきなり戦っているシーンからスタートし、ドーパントを倒した後に見知らぬ若い女性が現れ、W(ダブル)に襲いかかる。その女性は、超能力を使って攻撃し、大道克己の復讐を口にする。彼女の攻撃を躱したW(ダブル)は、変身を解き、「大道克己は悪人だった」と諭そうとするが、彼女の口からは「克己は私たちを地獄から救ってくれた」という思いもよらぬ言葉が飛び出す。そして彼女は、翔太郎とフィリップと亜樹子に過去の出来事を語り始める…。

 のっけからアクションシーンというのも急過ぎる展開ではあるが、最初にW(ダブル)の登場シーンがあるかないかによってこの作品の奥行きの深度といったものが違って来ると思うので、この冒頭シーンは大切だと感じたしだい。翔太郎とフィリップの中に刷り込まれている大道克己という人物像に対して一石を投じ、興味を引きつけるところから別の物語が始まるという流れがスムーズに行われている。

 映画の映像を使用しながら新たに撮影した映像と巧みに組み合わせ、大道克己が「NEVER」となった過程を描いて行っている。そしてテロリストと戦うために向かった国で、克己は超能力を操って攻撃を仕掛けて来るミーナという女性と出会い、彼女とのやりとりを経て戦うべき相手を見つける。このミーナこそ冒頭でW(ダブル)を襲った彼女であり、克己によって地獄から抜け出せた女性。克己は戦いの最中に3人の仲間とはぐれ、時間の経過と共に体を維持する酵素切れに喘ぎながらも、もう一人の仲間のレイカと共に敵の懐へと飛び込んで行く。そして遂に克己はエターナルと出会う。

 「NEVER」が生き返りの体であるということが、とても痛々しく哀しみのある重要ポイントとなっており、ストーリーの合間に描写される克己と仲間一人一人との出会いのシーンがとても切ない。死体ゆえに冷血人間のようにも見える彼らの風貌からは想像の出来ない内面性が、戦いを通して描かれてあり、特別で特殊な彼らの繋がりといったものの描写に心を打たれた。

 「NEVER」のメンバーが生身で戦うシーンが多く、その戦い方も傭兵としてのものなので、アクションシーンの多くは高い攻撃力の連続。当作品がVシネマという位置づけにあることからも察せられるように、幼い子どもへの鑑賞はあまりおすすめ出来ない。終盤のエターナルとドーパントとの戦いは変身後の姿であるので、この部分は通常の仮面ライダーのアクションシーンとして見ることが出来るけれども、そもそも善と悪にはっきりと分かれた戦いではないので、単純な見方は出来ない複雑な内容の作品となっている。

 この作品を見た後だと、ストーリーの続く「A to Z 運命のガイアメモリ」を見る目が変わって来る。それぐらい影響力がある。全ての物語を聞いた後の翔太郎とフィリップの胸中を察すると克己を思う切なさに心が満ちる。
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -