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「宇宙戦艦ヤマト2202/愛の戦士たち」
投稿日 : 2017/03/06(Mon) 14:54
投稿者 久保田r
参照先
2017年2月25日「第1章」劇場公開

<スタッフ>
監督:羽原信義
副監督:小林誠
原作:西崎義展
製作総指揮:西崎彰司
企画:河野聡
シリーズ構成:福井晴敏
プロデューサー:古川寛高
キャラクターデザイン:結城信輝
メカニカルデザイン:玉盛順一朗、石津泰志
美術監督:谷岡善王
色彩設計:福谷直樹
撮影監督:堀野大輔
編集:小野寺絵美
音楽:宮川彬良
音響監督:吉田知弘
オリジナルサウンドエフェクト:柏原満
アニメーション制作:XEBEC
製作:宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会

<キャスト>
古代進:小野大輔/森雪:桑島法子/島大介:鈴村健一/真田志郎:大塚芳忠/南部康雄:赤羽根健治/相原義一:國分和人/徳川彦左衛門:麦人/佐渡酒造:千葉繁/太田健二郎:千葉優輝/山本玲:田中理恵/新見薫:久川綾/榎本勇:津田健次郎/桐生美影:中村繪里子/山崎奨:土田大/鶴見二郎:河本啓佑/沖田十三:菅生隆之/藤堂平九郎:小島敏彦/芹沢虎鉄:玄田晢章/山南修:江原正士/ズォーダー:手塚秀彰/サーベラー:甲斐田裕子/バレル:てらそままさき/キーマン:神谷浩史/スターシャ:井上喜久子/テレサ:神田沙也加、他

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第7章「新星篇」最終話「地球よ、ヤマトは…」
投稿日 : 2019/07/01(Mon) 13:56
投稿者 久保田r
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 ガトランティスとの戦いから半年後、ヤマトと古代と雪の犠牲によって救われた地球は平穏を取り戻し、復興作業に追われていた。英雄の丘には、生き残った乗組員らが集まって真新しい慰霊碑を見つめていた。激戦で多くの人が死に、乗る人がいないにも関わらず、時間断層では相変わらず次から次へと艦が建造されていた。そこへ突如、地球の海上にヤマトが出現する。調査に向かった真田と島は、波動エンジンがかろうじて生きていることと、山本玲の生存を確認する。山本が持ち帰った高次元での出来事の報告を基に、真田らは古代と雪の救出を藤堂司令長官らに申し出る。その方法として「銀河」の協力が必要なこと、ヤマトを高次元へ送り出した後は時間断層は壊れてしまうことを報告すると、芹沢司令副長が反対。これを受け、古代と雪の救出の判断が国民に委ねられることとなり…。

 第7章のコピーは、「さらば宇宙戦艦ヤマト」から40年 あらゆる予想を覆し、真実の”ラスト”へ━━━ というもの。画は、古代がきりっとした表情で目を閉じてぐったりとしている雪の手と肩を抱いて彗星帝国に向かうヤマトを見つめているというもの。このビジュアルを見ていると、確かに「さらば」とも「2」とも異なるラストがイメージされ、ストレートな見方をすれば、ヤマトが単艦で特攻するのを古代が見届けているようにも見える。

 さて、最終話を鑑賞した感想は、旧作とはまるで性格の異なる複雑怪奇な終わり方をしたという印象。旧作の「さらば」は、自己犠牲に特化して古代と雪が死に、それでは後が続かないとして「2」ではテレサが超巨大戦艦に特攻したことにより古代と雪が助かるというもの。新作の「2202」は、そのどちらでもないラストが確かに描かれている。そう、確かにコピー通りに”予想を覆し”てはいるが、だが、これが真実のラストかと問われれば、私的には受け入れがたいラストだと感じているしだい。

 何しろ全てが真田さんの解説と演説で動いているから。演説に関しては、ヤマト乗組員の気持ちを代弁していると捉えることができるが、そこに辿り着くまでの過程を映像で見せるのではなくほとんどを真田さんの解説に任せっきりというのはいかがなものかと。要は人間ドラマが希薄なことが問題。

 そして、この最終話が描いた政治的メッセージと社会批判を、古代の精神世界と絡めた終わり方は、ある意味作り手のエゴと言えなくもない気がする。無限の可能性を秘めた宇宙は、そのまま精神世界の宇宙でもあると訴えているかのように感じられた。

 作品全体を自分の言葉で表すならば、古代と雪はテーゼであり、ズォーダーとサーベラーはアンチテーゼであった。
 これが、「2202」鑑賞後に私が受け取ったテーマ。

 追記。
 音楽。これでもかというほど、お約束のように有名な曲を連ねて流していたが、あれは、旧作でマッチした音楽であったので、「2202」のこのラストでは少し噛み合わない。いっそのこと、「2202」のラストのための新曲があって良かったように思う。
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第7章「新星篇」第25話「さらば宇宙戦艦ヤマト」
投稿日 : 2019/06/20(Thu) 10:17
投稿者 久保田r
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 古代と対峙したズォーダーは、自らの意思でもって「滅びの方舟」を目覚めさせる。それにより複製生命体であるガトランティス人は次々と死んでゆき、ガミラス艦隊と交戦していたガトランティス艦隊は制御を失って自滅。事態を察したバレル大使は、全艦隊に戦線離脱を命ずる。満身創痍のヤマトもまた深刻なエンジンのダメージにより、離脱を余儀なくされる。目覚めた「滅びの方舟」は都市帝国を飲み込んでエネルギーを増大。最後の波動掘削弾を積んだキーマン機が、単身で「滅びの方舟」へと突撃。必死に止める古代であったが、キーマン機を援護する斉藤隊長と永倉に説得される。キーマンと斉藤隊長の特攻により「滅びの方舟」を滅ぼしたかに見えた直後、「滅びの方舟」から巨大なエネルギー波が放たれ、月の一部が吹き飛ぶ。ヤマトに戻った古代は、ズォーダーの声と真田の説明を聞き、総員退艦命令を出す。もはや地球に助かる道はなく、一人でも多く生きるために脱出するようにと。一人ヤマトに残った古代の前に退艦した筈の雪が現れる。雪は古代を覚えてはいなかったが、古代への愛だけは忘れていなかった。臨界点に達したヤマトの前にテレサが出現。ヤマトとテレサは共に…。

 「さらば」と「2」へのリスペクト、もしくは焼き直しが新作らしいアレンジさで描かれていたのがよく分かった内容。そしてここに来てようやく、ガトランティスのデザインがなぜあのように複雑かつ抽象的なものであったのかが腑に落ちた。人間の思想や理念や感情や意思といった形なきものの「滅びの方舟」をガトランティスなりに形にしたものであったのだな、と。

 旧作の台詞のインパクトは、やはり凄い。短い言葉数でずしっと心情が伝わって来る。台詞と、表情の描写と、情景を描く音楽がマッチした時、観る者の心は揺さぶられる。特にキーマンと航空隊とのやりとりのシーンは涙腺が緩んだ。

 対して、終盤の古代と雪のシーンは、どう評していいか分からない。雪の記憶を失ってもなお愛だけは忘れないという、愛の力、尊さといったものを表現しているのだとは思うが、正直共感し難い。一方で、テレサの出現には納得がいった。テレサの言う”縁の力”の筋が通っていたので。だが、そこへ唐突とも言える古代と雪のラブシーン。えええ?と戸惑ってしまった。申し訳ありませんが、感情がついていけません。

 ですが、やっとやっとここでたっぷりと時間をかけて見せてくれた。これでこそ「ヤマト」の表現法。やっと見れた。音楽の流れる順も申し分なし。(ですが、一言意見をば。順から言えば確かにここは「終曲」だと思いますが…アレンジと演奏を考えると、シンプルに「愛のテーマ」で良かったかな、と)

 追記。
 今回の裏の主役は、真田さん。真田さんの説明がなければ、何をやってるのか分からなかったことでしょう。
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第7章「新星篇」第24話「ヤマト、彗星帝国を攻略せよ!」
投稿日 : 2019/06/12(Wed) 14:58
投稿者 久保田r
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 彗星帝国の正面にワープアウトしたヤマトは、彗星の中心核を狙ってトランジット波動砲を発射。ヤマトの前面には、ヤマトを波動砲の輻射から守るためにノイ・デウスーラがワープアウトしていた。彗星帝国の防御を破ったヤマトは、内部へと強行突入を図る。ヤマトの周囲には大量のガミラス艦が現れ、バレル大使、バーガーらが地球を守る戦いを展開し、ヤマトを彗星の門の手前まで送り届ける役目をフラーケン率いる次元潜航艇が担う。桂木透子の持つ力とヤマトのシステムを連動させて彗星の門を開かせ、内部へと突入。ヤマトは集中砲火を浴び、徳川機関長、土方艦長ら多くの犠牲者を出しながらも古代と山本玲は、ズォーダーのいる玉座の間へと辿り着き対面する。

 「攻略せよ!」というよりも、「ヤマト、彗星帝国本土決戦!」という内容の回。ガミラス軍が颯爽と現れたのは格好いいが、ガトランティスの戦力が圧倒的で、本当にヤマトが戻るまで保つんだろうかと思いつつも、バーガーがいるからしぶとく戦ってくれるだろうとの期待を寄せつつ、彼らの中で最も格好いいところを見せつけたのは、フラーケンだった。次元に潜行するシーンの画がまるでゲーム画面のようで少々鼻白んでしまったものの、ヤマトとあの次元潜航艇が連携しているところを見ると胸熱。だが、ここでこのシーンがあるってことは、旧作の『III』の内容のうち少なくとも次元潜航艇との戦いはなかったことになってしまうんだろう。

 この回で一気に犠牲者続出。敵の懐に強行突入するのだから激戦になるのは分かるが、一人一人の死の描写があまりにも重みがない。旧作のシーンと台詞を引き継いでいる箇所が割と多いので、旧作を見ている者には脳内補完して観ることが可能だが、「2202」だけを見ていると時間に追われるように次々と主要キャラが亡くなっていくので、心が揺さぶられない。戦場にあっては死とはかくも呆気ないものなのかもしれないが、これは映像作品なのだから、”艦を動かすのは人”を表現するのであれば、死の尊厳の表現にもう少し力を入れてもよかったのではないだろうかと思うしだい。

 追記。
 ヤーブ・スケルジ(=薮助治)、元気そうな上に活躍してて何より。彼が異動もなく次元潜航艇に居続けたら、それこそ『III』のあの件はなくなるよね。

 追記。
 今回の雪は、ある意味地球の女神的な役割なのかな。実質的な業務はなく、心の中で念じてるような台詞ばかり。今のままでは旧作のシリーズよりも存在感薄いやん…。(あ、しまった。また裏のようなぼやきを)

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第7章「新星篇」第23話「愛の戦士たち」
投稿日 : 2019/06/10(Mon) 14:24
投稿者 久保田r
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 「ガミラスを救いたくばデスラーを撃て」と、ミルから残酷な選択を迫られたキーマンことランハルト。そこへ、古代が現れ「撃ってはならない」と諭す。ミルはズォーダーの後継者であった。古代は、引き金を引かないという選択を示し、和平と投降を申し入れる。だが、古代に向けられた銃が発砲したその時、雪が飛び出して古代を救う。目の前でそれを目撃したミルは、愕然とする。ミルとズォーダーは脳内で意思のやりとりをしており、千年の絶望を引き継ぐ前に人間とは何か、愛とは何かを知りたいと願い、古代の申し入れを受けるかに見えたその時、デスラーを救いに来た兵が現れてミルを射殺。これにより交渉の余地はなくなり、ヤマトは彗星帝国と戦うしか道がなくなってしまう。

 ここに来て前作のタイトルの「宿命の対決!」の意味が分かったという感じ。確かに今回のタイトルの「愛の戦士たち」も、ある意味登場キャラのほとんどに共通していたとは思うが(古代を庇った雪、斉藤隊長を助ける永倉、子を思うズォーダーと桂木透子(サーベラー)、互いの身を案じるデスラーとキーマン(ランハルト)等)、前半部の「銃の引き金を引く引かない」の選択の会話をしているデスラー、キーマン、古代、ミル、そしてミルを通して現場を見ていたズォーダーらが、それぞれに宿命を背負って一同に介して言葉で対決しているシーンであったため、これぞ「宿命の対決!」と感じたしだい。

 またまた台詞が多く、行動よりも理屈の割合の多い今回の「2202」。前作の「2199」は、ユリーシャの言う通り「言葉よりもその行動」の割合の多い作品であったため、「2202」を見ていると、感覚的に映像作品を見ているというよりも長編小説もしくは台詞の多い長編漫画を読んでいるような気分になる。せっかくアニメという手法を用いているのに映像よりも台詞重視なのが少しもったいない気がする。作品の性格的に「2202」にガミラスは登場してもイスカンダルは登場できないだろう、というのは感覚的に納得できる。

 さて、今回の旧作ファン泣かせは、終盤の「俺たちにはヤマトがある!」のシーン。これを描きたいがための長い長い前振りだったんではないか、とさえ思うほどしっかり組み込まれてあった。となれば、リスペクトとしてかの名物プロデューサーがちらっとでも登場するのかと思ったらいなかった気がする。今回登場したのは、どのスタッフ?

 追記その1。
 斉藤隊長がスパイであったとか、永倉を巻き込んだとか、致死量の放射線を浴びたとかの説明がほとんどなく、ここだけ違和感。手抜きすか?

 追記その2。
 自主規制なのかどうかわからないが、ミルが撃たれて倒れたシーンは血が描かれてたのに、雪はどこを撃たれて重傷となったのかがよく分からなかった。頭への衝撃だろうか?何のためのヘルメット?

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第6章「回生篇」第22話「宿命の対決!」
投稿日 : 2019/06/08(Sat) 14:17
投稿者 久保田r
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 銀河の艦長の藤堂早紀は、通信にて防衛軍統括司令長官に戦いの最中に指揮AIとコスモリバースシステムを喪ったことと銀河の使用可能な部品をヤマトに移すことを報告する。藤堂司令長官は、喪った指揮AIの経緯について知りたいことはあるが「戦時中ゆえ現場の判断に任せる」と不問に付した。地球での本土決戦前の最後の通信になるかもしれないと知った藤堂早紀は、長官を「お父さん」と呼び、自死した母親のことがわかった気がすると伝える。一方、時間断層工場で急ピッチで修理の進むヤマトでは、離散していたクルーが集結。クラウス・キーマンは、上司であるローレン・バレルにデスラーと会った時のことを報告し、引き続きヤマトと同行する許可を願い出る。修理を終えたヤマトは、再び戦場へ。トランジット波動砲にてガトランティスの防壁を破り、ズォーダーの玉座を狙う作戦を立てる。古代は、ズォーダーを倒す前に今一度説得する機会をくれと申し出、土方艦長はそれを許可する。そこへ、突如ノイ・デウスーラが現れ、ヤマトに向けてデスラー砲が放たれる。

 またもや映像よりも説明台詞でシナリオを進行していく展開。銀河と藤堂親子の存在をここまで推すのであれば、本来なら序盤から藤堂早紀を登場させて伏線を張るべきだったと思うのだが、第6章で突然登場してそのほとんどを説明的役割で終えた彼女の存在意義を思うと少々哀れ。銀河そのものは、見せたい設定を派手に見せることができたのでその点は良しとしても、それにしても必要だったのか?という疑問符は残る。銀河は、真田さんが惑星探査を目的として設計した艦だということだから、本来の役割を果たすべくこの戦い終了後にはガミラスの移住先の探査に旅立つなどの美談があると登場した甲斐があるかもしれない。

 さて、今回呆気に取られたのは、伏線なしに「空間騎兵隊を作戦行動から外す」と台詞のみで新たな問題点を説明したこと。いや、すべてに伏線を張れとは言わないが、容量オーバーな設定のほとんどを台詞で進めるシーンがここまで多いと、見る側としては「またか」という気分に。ここはデスラーの登場に時間をかけて重みをつけて欲しいところだったのだが、さくっと進んであっという間にデスラーが負傷。旧作のデスラー登場は、悲惨な白兵戦の末にようやく古代との一騎打ちのシーンへと繋がったのだから、比較するなと言われても「2202」のシナリオは、いとも簡単に人を傷つけ喪っていくように見えても仕方あるまい。

 追記その1。
 設定多すぎ。だから使うべき画が一瞬一瞬でしか映らない。そして、せっかくの音楽も一瞬しか流れない。勿体無い。こんなんじゃ余韻に浸れない。

 追記その2。
 「本土決戦」なんて台詞が出て来るが、あまり耳にしたくないな。

 追記その3。
 「宿命の対決」っていうのは、デスラー対ランハルトのことだったのか!?…と思えるようなラストで次回へ続く。
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第6章「回生篇」第21話「悪夢からの脱出!!」
投稿日 : 2019/06/03(Mon) 14:11
投稿者 久保田r
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 ヤマトに連れて来たゼムリアの”語り部”の子らは、ガトランティス(=ズォーダー)を滅ぼす「ゴレム」の存在を匂わせたものの機密に関わるとして明かそうとしなかった。最後のゼムリア人である桂木透子(=サーベラー)が明かすよう指示し、語り始めるも、ズォーダーに悟られアナライザーの機能が強制的にシャットダウンされる。すぐさまズォーダーは惑星ゼムリアを破壊し始め、ゼムリアに不時着していたヤマトは発進準備に取り掛かる。その頃地球は、白色彗星が絶対防衛圏である火星に接近したことにより人類存続をかけた戦闘が開始。時間断層工場から続々とAI制御の戦艦が戦線に投入され、遂にアンドロメダのクルーは山南艦長ただ一人となる。ガミラス艦隊も共闘するも、ガトランティスの戦闘力の前に後退を余儀なくされ、地球艦隊全体の戦力低下により「G計画」が発令される。「G計画」の内容を知った真田、島らは憤る。一方、ヤマトは脆くなったゼムリアの地盤を利用して発進。満身創痍のアンドロメダからヤマトの存在に気づいた山南は、単艦で突撃し波動砲でガトランティスの重力圏を破壊しようとする。そこへ、真田が銀河の艦長の藤堂早紀にコスモリバースシステムを使ってアンドロメダを援護することを具申する。

 冒頭で、藤堂早紀の母親の死について触れていることにより、”人間はかくも弱いもの”を印象付けた上で話がスタート。これとAIの役割を強調することにより人間不要論を匂わせつつ、最終的には人間の判断力が事態を決定し動かすという展開を描いている。

 さて、ツッコミどころ満載過ぎてレビューする気にもなれず、が本音ですが、先ずは山南艦長が格好良過ぎ、いや活躍し過ぎな点を褒めておく(?)べきかと。説明と理屈の多い銀河クルーと比べて、たった一人で戦艦を自在に操って怯むことなくガトランティスに挑みヤマトを救出するという体の張り方は、もはや人間離れ。宇宙空間で剥き出しになったにも関わらず吹き飛ばされないのはなぜなんでしょうねぇ…アンドロメダの重力装置が凄いのかはたまたそういう細かいことはツッコんじゃいけないのか。ブラックバード隊の加藤に救出されたこと自体は良しとしても、なぜ機体にしがみついてるのか。艦載機のスピードにしがみつけるなんて超人技。「2199」でもそうだったが、新作「ヤマト」は、変なところでリアルで変なところで都合良過ぎ。(あ、それは旧作でもか。ま、アニメですから)

 で、全体から感じ取ったのは、大和とヤマトに関することの詰め合わせ満載感。芹沢統括司令副長の「総当たりで戦え」論は、歴史で習った第二次世界大戦末期の日本のようだし、ゼムリアの地表に埋まってるヤマトは、ガミラスの遊星爆弾で干上がった地球の地表に埋まってたヤマトの姿そのものだし、だからなのか、発進時のBGMが「地球を飛び立つヤマト」ぽかったし、脆くなった地盤を利用して発進するのは「完結編」だし、更に細かいツッコミをすれば単艦でガトランティスに突撃するアンドロメダは「復活編」で登場した「信濃」を彷彿とさせ、そういえば「信濃」を操縦してたのも渋いおじさんただ一人だった点も相似。

 追記。
 銀河のクルーが女性ばかりの理由について、頭では「なるほど」と思うが、その理屈は第二次世界大戦末期と同じじゃないかと気づくと、感情では憤りを覚える。
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第6章「回生篇」第20話「ガトランティス、呪われし子ら」
投稿日 : 2019/05/29(Wed) 14:50
投稿者 久保田r
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 総員退艦の際に桂木透子を庇って負傷した森雪は、昔の記憶を取り戻した代わりに、地球の危機を救うためにイスカンダルへ行った4年間の記憶を失い、婚約者である古代のことも分からなかった。その頃、不時着した惑星の探査をしていたキーマン、斉藤始らは、惑星の記憶と接触。”語り部”と名乗る子供の声で、ゼムリアという惑星とズォーダーの関係がアナライザーを通して語られる。ヤマトのメインホストに繋ぐことにより情報を得られると判断したキーマンは、彼らをヤマトへと連れて行き、桂木透子の前でガトランティスとズォーダーの過去について語らせた。同じ頃、ガトランティスではズォーダーがサーベラーを復活させ”裁定”させる。それによりガトランティスは地球への進撃を開始。戦艦 銀河を抜き去り、地球の最終防衛線となる火星圏へとワープした。

 ガトランティスとズオーダーがどのようにしてこの宇宙に誕生し、どんな過去を経て今のような存在となり、”愛”を否定する思考と行動に至ったのかを、ほとんど言葉のみで説明している回。

 説明なら説明だけに場面を集中してくれたら歴史を学ぶという点でより分かりやすかったと思うのだが、現在進行形のサーベラーを復活させるズォーダーの行動や、地球圏の防衛戦を描いているので、少々散漫気味。おかげで視覚的な飽きはないが、見る側としては時間軸の情報整理が散らかり気味。

 古代が桂木透子に向かって「君たちが最も愛に怯え、苦痛を知っている」と言った内容は、的を射ているというか、(なるほど。そういうことか)と、やっと人類が賛美する愛 対 ガトランティス(=ズォーダー)が憎む愛という構図が見えて戦う理由がはっきりしたが、ここに至るまでが少々もったいつけていたな、という印象。今の時代の作品は、これぐらい複雑な事情を内面に抱えていないと評価されないのだろうか。旧作のような分かりやすい構図はもう文字通り古臭いのだろうか…。こういうのを見て育つ少年少女らが、人を好きになること、愛することに対して妙に斜に構えたりしないようになってもらいたい。

 追記。
 スマン!(最初に謝っておく)
 これって「ヤマト」で語るべき内容?
 「ヤマト」ってこんなに理性で愛を語る作品だったっけ?

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第6章「回生篇」第19話「ヤマトを継ぐもの、その名は銀河」
投稿日 : 2019/05/22(Wed) 15:14
投稿者 久保田r
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 遊星爆弾症候群で余命宣告をされている息子を助けたい一心から加藤三郎の押した反波動格子のスイッチにより、ヤマトは波動エンジンの推力を失ってガトランティスの重力圏へと引き込まれて行った。艦長の土方は乗組員に退艦命令を出す。ヤマトの第一艦橋クルーは離散し、大怪我を負いながら助かった真田は芹沢防衛軍統括司令副長に経緯を報告。芹沢は、原因となった加藤に対し「戦って死ね」と捨て台詞を残す。真田、南部らはAIが艦を制御するヤマト級「銀河」に乗艦し、ヤマトで培ったノウハウをAIに継承するよう要請される。銀河は、真田が惑星探査を目的として設計した艦であったが、今はコスモリバースシステムが戦いの道具として利用され、艦長には藤堂司令長官の娘が就いていた。一方、ヤマトは見知らぬ惑星らしき場所に不時着。土方艦長、古代、森雪、キーマンらがヤマトに残っており、惑星探査をするも有力な情報が何一つ得られなかった。雪は、退艦時に頭に重傷を負い意識不明が続いていたが、やがて目が覚めた時、記憶を失っており、古代のことが分からなかった。

 第6章に入り、起承転結の「転」へと怒涛の展開で突入。地球人のエゴが目に見える形で剥き出され、一方のガトランティスは憎らしいまでに落ち着き払った冷静さで遊星爆弾症候群の特効薬を地球に提供するなど高度な政治的判断を淡々と見せつけ、両者の立場を浮き彫りとしている苦々しい回であった。

 時間断層工場で波動砲を搭載した戦艦が延々と作られる間、銀河とガミラス艦との連携で戦い続けるという設定にいささか唖然。ちょっと無理矢理過ぎではありませんか…と思った瞬間に、それからは一歩も二歩も引いた醒めた目線で鑑賞した。それと何者かの目を通して雪の姿を見るズォーダーと、雪が記憶喪失になるという都合のいい設定にも唖然。雪って何回記憶失うねん…。(おっと、つい裏レビューのようにぼやいてしまった)

 コホン…気を取り直して、旧作『2』の戦術の一部を利用していることは辛うじて読み取れたものの、でもそんなことが小さく思えるくらい銀河推しが強いことは分かった。現に実社会でもAIの実用が浸透しようとしているだけに、銀河の登場は時代にマッチしているとは思うが、しかし現実社会での女性の立場はまだまだその足元にも及ばない。銀河の若い有能な女性クルーらを見ていると、未来への希望よりも皮肉と捉えてしまうのは、私がこの作品を鑑賞するには歳を取り過ぎているからかもしれない。

 追記。
 今回は、「ヤマト」らしいロマンが一欠片もない。要約すると、私の感想はこの一言。

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第5章「煉獄篇」第18話「ヤマト絶体絶命・悪魔の選択再び」
投稿日 : 2019/05/15(Wed) 14:06
投稿者 久保田r
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 土星沖海戦に現れた山南艦長率いる波動砲艦隊は、怒涛の数を展開。バルゼー率いるガトランティス艦隊をものともせずに破砕する。瞬く間に現れる地球の戦艦のからくりに気づいたガトランティスは、苦戦するバルゼー艦隊を退かせ、大帝率いる彗星が前線へと。地球艦隊は、彗星本体に向けて波動砲を集約させて発射。集約された波動砲の威力によって彗星を取り巻くガス雲が吹き払われたものの、現れた本体の姿は、木星にも匹敵するほどの巨大な都市帝国だった。地球艦隊は、都市帝国の重力圏に巻き込まれ、次々とコントロール不能となり破壊される。山南艦長の艦は、友艦の助けを得て重力圏を離脱。地球は、形勢逆転となり不利な状況となる。そこへヤマトが現れ、土方艦長の指示の下、都市帝国に向けてトランジット波動砲を撃とうとするが、発射寸前に波動エンジンが突如出力ダウン。原因は、加藤三郎の押した反波動格子のスイッチであった。

 鑑賞後の率直な感想は、整理整頓された戦争。時間断層工場で機械的に次々と建造される戦艦は一定のリズムできちっとしていたし、大量の波動砲艦隊は表計算のように縦横きっちりと同じタイミングで動いていてまるで無人艦隊のようであったし、波動砲の発射も寸分の狂いもなく同時発射され、本当に人間が動かしているのかと疑うほど整然とし過ぎていて面白味がなかった。唯一乱れていたのは、都市帝国の重力に巻き込まれていくシーンで、ここでの「山南。お前はよくやった」だけがドラマがあった気がする。

 その影で蠢く桂木透子と加藤三郎。親心に付け込む桂木透子の行動は良いことではないが、ストーリー展開でよくあるパターンのキャラクターであるのでその点では良しとして(これが例えばトム・クルーズの出る作品だったら、彼女のやり方を逆手に取ってスカっとさせてくれたりするが)、加藤三郎に至っては”あれ?このためにヤマトに乗ったんだっけ?!”と思うほど我を忘れている。これでも彼は冷静な判断の必要な宇宙戦士であり、ましてや悟りや諸行無常の教えがあったであろう寺の息子の筈なのだが、”地獄に落ちる”行動を取ってしまった彼の今後が気になる。

 追記。
 時間断層であんな大量に艦が作られているが、艦を動かす人材はどこで大量に育成されているのだろう。

 もうひとつの追記。
 冒頭の波動実験艦 銀河のクルーのシーン。いかにもなリケジョの集まりだった。
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第5章「煉獄篇」第17話「土星沖海戦・波動砲艦隊集結せよ!」
投稿日 : 2019/05/11(Sat) 13:50
投稿者 久保田r
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 ヤマトは長距離ワープを連続して行い、地球への帰還を急いでいた。並行して技師長である真田は、キーマンが波動エンジンに仕掛けた反波動格子を利用し、これまでのものより威力の高いトランジット波動砲を開発。一方、地球では、来たるガトランティスとの決戦に向けて戦力を急ピッチで増強。波動砲艦隊を展開させる。重傷を負いながらヤマトに同行することを決めたキーマンは、独房で隣室の桂木透子と会話をする。その頃、ガトランティスでは新しい銀髪の巫女が生成されていた。同じ頃、ガミラスでは、民主化に反対するデスラー派を一斉摘発。立場を失いかけたデスラーに、ミルが復権の交渉として「ヤマトを倒せ」と持ちかける。土星沖海戦勃発。苦戦する地球艦隊であったが、波動砲艦隊が駆けつけ立場が逆転。光明が射し込む。そこへ、機体の整備をしていた加藤三郎に桂木透子から「子息を助ける」というメッセージが届く。

 後半〜終盤へ向けての伏線の回。テレサと会ったことで大きな目的を果たしたヤマトが、ガトランティスとの過酷な戦いに向けて動き出し、呼応するように地球も軍備増強という流れ。今回のポイントとなるキーワードは、波動砲。古代と真田も、防衛軍統括司令副長の芹沢も、波動砲の存在が今後の戦いを左右すると発言している点は地球人らしい思考といったところ。旧作でも拡散波動砲が後半の戦いの見せ場の一つとなっていたので作品の流れとしては分かるものの、「2199」のおかげで波動砲を使うことに大きな引け目を感じるように刷り込まれているせいで、今ひとつ気分が盛り上がれないのは否めないところ。

 その存在をすっかり忘れていた桂木透子が再び暗躍しそうな雰囲気。新しく生成された巫女は桂木透子とは同調しないようなことを言っていたような気がするが、どうやら遠隔操作らしきことはできる模様。ガトランティスの技術って何かと便利なんだな…。

 交渉を持ちかけられたデスラーが今後どのように行動するのか、また、息子を助けるために桂木透子に会いに行った加藤三郎がどんな行動をするのか、早いところキーマンの傷が治ったらり古代らと共に戦う姿を見ることができるのか、それよりも何よりも周辺のキャラクターの動きが慌ただしくて見せ場の少ないヤマト乗組員の活躍の場面はあるのか…等々、今後物語がどう展開して行くのかが気になるところ。

 追記。
 テレサの言う「人の縁」って便利な言葉だよね。「縁」っていいことばかりじゃないんだよなぁ…とアラフィフの私はしみじみ思う。(近頃じゃアラフィーとも表すようだけど、略語ならフィフだよね、やっぱり)

 もう一つの追記。
 早くも断言してしまうが、私的には「ヤマト」作品に美少女艦長不要派。
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第5章「煉獄篇」第16話「さらばテレサよ!二人のデスラーに花束を」
投稿日 : 2019/05/04(Sat) 13:39
投稿者 久保田r
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 テレザートは、デスラーよってガミラス艦隊の支配下となり、古代らは監禁されていた。このことは、ガミラス本星にも伝えられ、デスラー派の指導者である元親衛隊のギムレーが通信にてデスラーと会話。以前デスラーが行なった反乱を起こした惑星の破壊と第二バレラスを本星へと落下させた行為は、すべてガミラスを救うためであったこと、そして早い帰還を待っていることを伝える。その頃、ヤマトは、キーマンが仕掛けた機器により波動エンジンが停止しテレザートの海に不時着。デスラーの艦隊に包囲されていた。徳川機関長が原因を追求するも成す術がなく時を過ごすしかなかった。正体がデスラーの甥であることが明かされたキーマンことランハルト・デスラーは、デスラーとガミラス再建に向けて会話をするが、己の心に迷いを覚え、テレサのもとへと訪れる。

 前回の「デスラー回想」から引き続いて「デスラー、イメージアップの回」といったところ。「2199」終盤の戦いの非道な行いは、すべてデスラーなりの大義があったんだよと説明している内容で、デスラーを取り巻く人物たちがよく喋っている回でもあった。このように自身のことを周囲の人物たちに説明されるのは、デスラー本人はあまり好んではないとは思うのだけれど、これも「2202」に於けるデスラーの役回りなので致し方ないのかと。

 一通りの役目を終えたキーマンが古代らを脱出させ、自身もヤマトへ戻ろうとするのは想定通り。だけど、彼のような役回りは物語上必要だけど、人間不信を植え付ける元。そういう人物も受け入れるところがヤマトの懐の深さかもしれないが、らしくもないとも感じる。

 追記。
 ガミラス人は、話し方に特徴があり、常に詩を朗読してるかのような言葉のやりとりをするので、ちょっともどかしい。そこへ今回はテレサも登場しているので、思わせぶりな言葉がほんとんどで、内容の真意が掴みにくい回でもあった。
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第5章「煉獄篇」第15話「テレサよ、デスラーのために泣け!」
投稿日 : 2019/04/17(Wed) 14:27
投稿者 久保田r
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 テレサと古代らの前にデスラーが現れる。その時、デスラーの幼き頃からガミラス星の総統に至るまでの過去がテレサの不思議な力によって明かされ、古代らはガミラスが地球に遊星爆弾を仕掛けた真実を知る。古代らと連絡の取れなくなったヤマトは、生粋のデスラー派によって構成された艦隊と交戦。間隙を突いてキーマンがツヴァルケで出撃し、古代とデスラーの前に現れる。デスラーと対峙したキーマンは、自らの正体を明かし、古代に銃口を向ける。

 デスラー回想の回といったところ。滅びゆく母星のためにガミラスが地球を襲ったという理由へ生い立ちを加味したしたことによって、偉大なる総統も一人の人間であり尚且つ孤独な人生であったというバックボーンが描かれ、見る側にとって少しばかり同情を禁じ得ない展開へと。

 さらに驚くべきことに、今まで謎に包まれミステリアスな伏線ばかりだったキーマンの正体が明かされたことによりて、それらが回収された展開にも。最初から怪しい人物ではあったが、こういう人物が乗艦していたというのは、やはりどうも直感的に「ヤマト」らしくない…と思ってしまう。

 追記。
 テレサの顔がでかい。というか、目がでか過ぎ。

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第4章「天命篇」第14話「ザバイバル猛攻・テレサを発見せよ」
投稿日 : 2018/05/31(Thu) 13:55
投稿者 久保田r
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 ゴーランド艦隊を打ち破ったヤマトは、テレザート星へと急行する。先行して敵部隊と戦っていた永倉志織の率いる部隊は、圧倒的な物量の戦車群にも怯むことなく戦い続けて戦線を維持し続けていた。テレザート星を囲っている岩塊を砕くために古代と真田が出撃。爆破装置を仕掛ける最中にビーム砲の攻撃を受ける。死角からの攻撃方法にガミラスの反射衛星砲がコピーされていることを知ったキーマンは、反射衛星砲の中継基地に向けて出撃。制御盤を操作して反射角度を変え、テレザート星の岩塊へと撃ち込むことに成功する。真田の仕掛けた装置が爆破し、テレザート星の岩塊が次々と崩落する。そこへ、前線の空間騎兵隊の前にガトランティスの陸戦師団長が現れ、強烈な一撃で空間騎兵隊の戦力を大幅に奪う。隊長の斉藤始は、永倉以下部下を撤収させ、陸戦師団長のザバイバルとの一騎打ちに臨み、好機を活かして勝利を手にする。星を覆っていた岩塊がなくなったことでテレザート星の本来の美しい惑星が出現。古代、真田、斉藤の3人は、テレサと会話をする。そこへ、予期せぬ人物が現れる。

 「ザバイバル猛攻」というタイトル通り、冒頭から速いテンポでの戦いの連続。先行して降り立った永倉志織が副隊長として凛々しく指示を飛ばしており、頼もしい存在。旧作では生身の人間が戦う描写が多かったが、今作では大幅なアレンジが施され、斉藤始の考案した小型の人型機動兵器を使用したスピード感のある戦闘シーンがふんだんに盛り込まれている。そして地上戦のクライマックスは、やはり隊長同士の一騎打ち。ザバイバルの方に儀を重んじる節があり、名乗りを上げてからの格闘戦は迫力があって見応えあり。最期の一幕もザバイバルらしい身の処し方。

 いつの間に合流したのか古代と真田と斉藤がテレサのところへ。テレサのいる場所までの道中はサクッと通り過ぎたためミステリアスな雰囲気が味わえなかったが、テレサと会ってからは、真田さんの説明によってテレサがどういった存在であり、何故ヤマトがここまでわざわざ来なくてはならなかったのかが理論的に理解できたのはよかった。そしてそれを簡単な一言で要約してしまう斉藤隊長もよい働きをしている。

 旧作にはなかったデスラーとの邂逅。さてこれからどうなる…といったところで次章へ続く。
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第4章「天命篇」第13話「テレザート上陸作戦・敵ミサイル艦隊を叩け!」
投稿日 : 2018/05/24(Thu) 14:11
投稿者 久保田r
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 惑星表面にいくつもの巨大な建造物のようなものが出現。テレザートを守備するガトランティスの艦隊司令ゴーランドは、自身のクローンである息子のノルに自身のルーツを語りながら、原生動物の砂竜をことごとく殲滅していった。若いノルは、聞かされた自身のルーツに感情の揺らぎを覚えながらも初陣の時を待っていた。ヤマト艦内では、古代が桂木透子の尋問を行っていた。問いかける古代に桂木透子は混乱させるような言動をし、「シファル・サーベラー」と本名を明かしてこの日の尋問は終わった。テレザートへの上陸作戦の会議が行われ、古代が敵艦隊との中間に位置する巨大な岩塊に波動砲を撃つことを宣言する。ワープブースターによって航空隊と空間騎兵隊が先行して送り込まれ、上陸作戦がスタート。続いてヤマトが小ワープをしたが、ゴーランド艦隊から次々と放たれる破滅ミサイルに苦戦を強いられる。盾となる巨大な岩塊が砕かれ、ヤマトにはもはや波動砲を敵艦隊に向けて撃つしかなかった。乗組員らに最終決断が迫られ…。

 ヤマトには波動砲を撃つ覚悟と試練が描かれ、対するゴーランドには愛によって生じる不合理、言い換えれば愛へのこだわりといったものが描かれてあり、少し不思議な捩れ現象のように見える内容の回。

 これまで愛を語るのはヤマトの専売特許のように感じていたが、こと「2202」に於いては敵のガトランティスの方が頻繁に愛を口にしており、愛とはいかに不合理であるかを繰り返し説くことによって、逆に愛とは何かを哲学的に考え、愛に対して至極真面目に向き合っている人種のように思えてきた。

 そのため今回のドラマはヤマトにではなく、ゴーランドの方にあったと感じた。もちろん、波動砲を撃たないという約束を破って敵に向けて撃つという決断には相当な覚悟が必要で、古代がたった一人で背負うのではなく乗組員全員で背負うべきだと一致団結へと向かう描写にもドラマはあったが、それよりもゴーランドが初陣を迎える息子に向かってルーツと心構えをしっかりと話して聞かせる描写の方が愛を物語っていて切なかった。ノルの揺れ動く若者らしい心理状態境も短いながらも丁寧に描かれていたし、ゴーランドの最後のセリフが全てを物語っていて心から切なくなった。彼らは本当は体で愛を十分に分かっているのでは、と思う印象的な内容の回だった。
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第4章「天命篇」第12話「驚異の白色彗星帝国・ヤマト強行突破!」
投稿日 : 2018/05/17(Thu) 15:04
投稿者 久保田r
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 大帝の意思を受けて銀の髪を黒く染めた夢を見た桂木透子は、目が覚める間際に見た銀の髪の女性の存在に動揺していた。ヤマト艦内では、第11番惑星の戦いで敵に位置が把握されていたことからスパイがいるのではないかという疑惑が広まっていた。キーマンは人目を避けて桂木透子に接触し、反応を引き出そうとする。その様子を物陰から窺っていた山本玲も、桂木透子にカマをかける。だが、反撃に遭い桂木透子は逃走。すぐさま空間騎兵隊が捕獲に乗り出すも、取り逃がしてしまう。その時、監視していた白色彗星が忽然と姿を消し、第一艦橋内に緊張が走る。そして再び現れた時、白色彗星はすぐ目の前にあり、ヤマトは巨大な重力によって引き寄せられてしまう。

 意外にも早いヤマトと白色彗星のご対面の回なのだが、正面からのヤマト vs 白色彗星という構図ではなく、理由ありに満ちた謎だらけの展開となっており、ご対面というよりもニアミスといったところ。真っ向勝負の前の様子窺いといった趣きで、ヤマトは白色彗星の内部をチラ見したことである程度のデータは取れただろうし、ズォーダーはヤマトと接触したらどのようなことになるかということが分かっただろうし、お互いの存在をチラッと直接体験したといったところ。

 そのため、この回の注目すべきところはヤマト vs 白色彗星の戦いではなく、内部で蠢く人物こそが主役。その人物とは、桂木透子。彼女の正体が明らかになり、他者にはない能力に圧倒されながらも、その存在は愛に縛られた悲哀に満ちており、意外にもその存在に依存しているズォーダーの悲哀や皮肉といった側面も窺える内面重視の内容となっている。

 作品は、今より遥か未来の地球人以外との接触を描いているSF作品であるため、サーベラーのような存在もあり得るのだろうが、旧作にはこういったテイストはほとんど見られなかった。敵であっても人の肉体の命の限界の中で物語が紡がれていた。私はそういった体温を感じることのできる「ヤマト」が好きだったため、今回のような物語はあまりにも切なくて寂しささえ感じる。
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