「アニマトリックス」
投稿日 | : 2003/07/21 22:07 |
投稿者 | : Excalibur |
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映画『マトリックス』三部作を補完する、9つのアニメーション短編集。その殆どが日本人スタッフの手によって作られているのは、ウォシャウスキー兄弟の敬意の現れと見て良いだろう。各エピソード間に関連はなくそれぞれが独立したもので、それ内容も映画と直接リンクするものから、完全な外伝など様々である。
いくつかのエピソードはWeb上で公開されたり、また限定で劇場公開もされているが、ビデオ作品のカテゴリーとして紹介する。
製作:ラリー&アンディー・ウォシャウスキー
製作総指揮:ジョエル・シルバー
プロデューサー:マイケル・アリアス/竹内宏彰/田中栄子
2003年
「ディテクティブ・ストーリー」
投稿日 | : 2003/07/24 23:32 |
投稿者 | : Excalibur |
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ある私立探偵の元に、トリニティーと名乗るハッカーの捜索依頼が舞い込む。調べて行くうちに、同じような依頼を受けた前任者たちが、いずれも異常をきたしていたことがわかってくる。そして遂にトリニティーとの接触に成功するが、その時彼は真実の世界への扉に一歩ずつ近づきつつあった・・・。全篇モノクロの、点描画のようなタッチで描かれたムーディーな一本で、キャリー=アン・モスが再びトリニティ役で参加している。
監督&脚本:渡辺信一郎
(声)
ジェームズ・アーノルド・テイラー
キャリー=アン・モス
「ビヨンド」
投稿日 | : 2003/07/24 23:31 |
投稿者 | : Excalibur |
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舞台は日本の郊外都市。飼い猫を探していた主人公は、子供たちに導かれ”オバケ屋敷”と呼ばれている立ち入り禁止の場所へと足を踏み入れて行く。そこは『マトリックス』の<エラー・ゾーン>だった。交差点の信号機から、いきなり「通りゃんせ」のメロディーが流れてくるとドキッとする、遊び感覚に満ちたエピソード。外国作品に出てくる日本の風景というだけで我々には<エラー・ゾーン>だが、これが単なる不思議な空間としか描写されないのがちょっと残念。もう少し『マトリックス』世界構築の根幹に迫るようなものであったならば、なお良かったのであるが。
監督&脚本:森本晃司
(声)
ヘディ・ビューレス/パメラ・アドロン/キャス・スーシー
「ワールド・レコード」
投稿日 | : 2003/07/23 22:52 |
投稿者 | : Excalibur |
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ドーピング疑惑のために栄光を手放した短距離走の元チャンピオンが、再起を賭けたレースに臨む。そしてレース中、肉体の限界を越えた時に彼は真実の世界を垣間見る・・・。『マトリックス』世界の解釈は各人それぞれだろうが、こういう捉え方もありかな、と思わせる一本。肉体と精神とは分かち難く結びついているものなのか。
監督:小池健
脚本:川尻善昭
(声)
ビクター・ウィリアムズ
アレックス・フェルナンデス
「プログラム」
投稿日 | : 2003/07/23 22:50 |
投稿者 | : Excalibur |
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日本の戦国時代を思わせる空間での、甲冑姿の武者同士の対決を描いた作品。実はこれはシュミレーション空間で、新しくメンバーに参加した主人公の適性テストを兼ねていたというオチがつくのだが、『マトリックス』世界を利用してスタッフが好き勝手やってるな、という印象が強い。ただウォシャウスキー兄弟の狙いとしては、まさに自作にこの<ジャパニメーション感覚>を取りこもうというものだっただろう。はたして利用されたのはどちらだったのか。
監督&脚本:川尻善昭
(声)
ヘディ・ビューレス
フィル・ラマール
「キッズ・ストーリー」
投稿日 | : 2003/07/23 22:48 |
投稿者 | : Excalibur |
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『リローデッド』でネオに執拗につきまとう少年。彼は如何にして目覚めたのか――という物語で、本編へのリンク度も高い。荒々しいタッチで描かれた疾走感、それと対照的な日常空間など「静」と「動」のコントラストが見所。キアヌ・リーブスとキャリー=アン・モスが、それぞれネオとトリニティ役で(声の)出演もはたしている。しかしこのエピソードを見た後だと、本編でのネオの態度は冷たすぎるように思えてくるのだが・・・。
監督:渡辺信一郎
脚本:ラリー&アンディー・ウォシャウスキー
(声)
クレイトン・ワトソン
キアヌ・リーブス
キャリー=アン・モス
「セカンド・ルネッサンス パート1・2」
投稿日 | : 2003/07/22 21:35 |
投稿者 | : Excalibur |
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パート1とパート2に分れているが、独立したものではない。おそらくランニング・タイムの制約からくるものだろう。『マトリックス』世界の前史という内容で、ザイオンのアーカイヴに収められた資料映像という設定。マシンによる殺人事件からマシンの弾圧が始まり、やがてこれがヒトとマシンの全面戦争に発展。この戦いに勝利したマシンがヒトを支配するようになってゆく。短いながらも人間の残虐性、それに戦争の悲惨さも描き切った作品。ただ、かなりグロテスクな表現も多いので、評価は分れるだろう。
そういえば似たようなエピソードが『鉄腕アトム』があったように思うが、気のせいか。
監督:前田真宏
脚本:ラリー&アンディー・ウォシャウスキー
(声)
ジュリア・フレッチャー
デイン・デイビス
「ファイナル・フライト・オブ・オシリス」
投稿日 | : 2003/07/21 22:09 |
投稿者 | : Excalibur |
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先行して『ドリームキャッチャー』(監督:ローレンス・カスダン)の併映作品となったり(どの程度観客動員に寄与したのかは不明だが)、『マトリックス/リローデッド』公開直前にTVでオンエアーされたりと、『リローデッド』の序章として持て囃されたエピソード。『リローデッド』の中でザイオンにもたらされた警告メッセージは、オシリス号のクルーが生命を賭して届けたものだったのだ。物語としては何とも中途半端ではあるが、作品世界の隠されたエピソードとしては興味深い。見所は何といっても全篇フルCGで描かれているということ。あの劇場版『ファイナル・ファンタジー』のスタッフが参加しているのだが、その質感たるや実写作品と見まごうばかり。これならばそう遠くない将来、俳優は不用になるかも、と思わせるほどだ。
監督:アンディー・ジョーンズ
脚本:ラリー&アンディー・ウォシャウスキー
(声)
ケビン・マイケル・リチャードソン
パメラ・アドロン
ベッド・フォード